これまでは、日本の歴史的価値がある墳墓として認識されていた古墳ですが、今では「古墳女子」「墳活」という言葉が生まれるような人気スポットになっています。
それでは、その古墳の魅力はいったいどこにあるのでしょうか?
そして、古墳にはどんな形や種類があるのでしょうか?
この記事では、古墳とはどのようなものなのかについて紹介した後、日本にある古墳の形や種類を解説していきます。
古墳とは
箸墓古墳(倭迹迹日百襲姫命墓) 奈良県桜井市
古墳の歴史は、弥生時代終末の3世紀中頃から7世紀にかけて位の高い者や権力者の墓として築かれた墓です。
大きいもので墳丘が500mに近い大山古墳(仁徳天皇陵)から直径10mと小さいものまであり、形もさまざまで円形のものや
四角形のものまであり、そのなかでも丸い古墳が全体の9割を占めています。
日本国内には16万基もの古墳が存在し、その数はなんと日本国内にあるコンビニの3倍です。
なお、被葬者については、一部、御廟野古墳(天智天皇陵)、野口王墓古墳(天武・持統合葬陵)など、被葬者が分かっているものもありますが、ほとんどの古墳については分かっていません。
いずれにせよ、土盛りをしたり堀を巡らしたりするという土木技術を駆使していること、長さ数百メートル、高さ数十メートルという規模のものもあることから、多くの人を駆り出せるだけの権力を持っていなければなりません。
また、鏡,玉,剣,武具,馬具などの副葬品が見つかる場合があること、多くの埴輪も一緒に出土することがあることなどから、それなりの財力が無ければできません。
ゆえに、古墳は位の高い者や権力者の墓としての役割のみならず、自らの権力や財力を誇示するという役割を果たしていたといえます。
古墳の形状の種類
古墳の形状には前方後円墳、帆立貝形墳、円墳、方墳の4種類があります。
前方後円墳
五社神古墳(神功皇后陵) 奈良県奈良市
最も代表的な古墳の形状です。
円墳と方墳が連結されたような形であり、上からみると「鍵穴の形」をしています。
方墳が少し小さく細長いものもあり、方墳が小さく細長いほど古い古墳である傾向があります。
円墳
高松塚古墳 奈良県明日香村
日本の古墳で一番多いのがこの円墳です。
古墳時代を通じて築造され、直径数メートルから百メートル前後で、規模は中・小型のものが多いです。
方墳
西法花寺古墳(息速別命墓) 三重県伊賀市
四角形の古墳です。円墳と同様に古墳時代を通じて築造され、6世紀後半には、天皇陵もこの形が採用されたようです。
帆立貝形墳
三吉石塚古墳 奈良県広陵町
円墳に小さな方形の張り出しをつけて全体の平面形が帆立貝形になる古墳です。
古墳の石室の種類
竪穴式石室
室宮山古墳 奈良県御所市
竪穴式石室は、古墳時代前期から中期にかけてよく見られる古墳の埋葬施設です。
発掘過程で竪穴の石室のように検出する事からその名がつきました。
なお、画像のように、竪穴式石室に長持型石棺が収まっているのを見られるのは奈良県御所市にある室宮山古墳だけです。
横穴式石室
牧野古墳 奈良県広陵町
横穴式石室は、日本においては、古墳時代後期に古墳の横に穴をうがって遺体を納める玄室へつながる通路に当たる羨道を造りつけた石積みの墓室のことをいいます。
まとめ
今回は、日本の古墳の数や種類、特徴などについて紹介しました。
コンビニの3倍近くも存在すると聞いて、少し驚いた方も多いのではないでしょうか。
古墳とは弥生時代終末の3世紀中頃から7世紀に築造された位の高い者や権力者の墓ですが、古代日本の歴史を現代に伝える貴重な資料でもあります。
皆さんも、日本全国で16万基あると言われる古墳を巡ってみてはいかがでしょうか。